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Webデザイナーとグラフィックデザイナーは何が違うのか──必要な知識の並び順で見分ける

デザイナー・映像・編集の仕事内容と給料を公的データで

同じ「デザイナー」でも、求められるものは違う

デザインの仕事を探し始めると、まず迷うのが「Webデザイナーとグラフィックデザイナーはどう違うのか」という点です。どちらもデザインを作る仕事で、賃金の区分も同じ「デザイナー」に属します。それでも、日々の仕事で使う知識の中身は、はっきりと違います。

ここでは職業ごとに整理された「重要な知識」と「重要なスキル」の並び順を手がかりに、その違いを見ていきます。

知識の並び順が語る違い

| 項目 | Webデザイナー | グラフィックデザイナー |

|---|---|---|

| 仕事の対象 | 企業・学校・官公庁などのWebサイトの企画とデザイン | 広告、出版物、商品パッケージ、シンボルマーク |

| 重要な知識の1番目 | コミュニケーションとメディア | 芸術 |

| 重要な知識の2番目 | 日本語の語彙・文法 | コミュニケーションとメディア |

| 重要な知識に「芸術」 | 上位5つに入らない | 1番目 |

| 重要なスキルの特徴 | 「新しい情報の応用力」が上位5つに入る | 「他者との調整」が上位5つに入る |

| 関連資格 | ウェブデザイン技能士 | 挙げられていない |

| 似ている職業 | 広告デザイナー、UX/UIデザイナー、コピーライター | 広告デザイナー、イラストレーター、コピーライター |

いちばん目を引くのは「芸術」の位置です。グラフィックデザイナーでは知識の筆頭に来る一方、[Webデザイナー(Web制作会社)](/job/webdezainaa.html)の上位5つには入ってきません。代わりに上位に並ぶのは、コミュニケーションとメディア、日本語の語彙・文法、事務処理、販売・マーケティング、顧客サービス・対人サービスです。

つまりWebの仕事は「絵を作る力」よりも、伝える枠組みを設計し、依頼者や利用者とやりとりする力に重心があると読めます。[グラフィックデザイナー](/job/gurafikkudezainaa.html)は、視覚的な表現で創作すること自体が仕事の中心にある、と説明されています。

「新しい情報の応用力」はWebだけ

スキルの面でもう一つ差が出ます。Webデザイナーの重要なスキルには「新しい情報の応用力」が入りますが、グラフィックデザイナーの上位5つには入りません。技術や表現の作法が変わりやすい領域で、学び直しが仕事そのものに組み込まれている、と受け取れます。

一方でグラフィックデザイナーには「他者との調整」が上位に入ります。広告や出版物、パッケージは、印刷や販売の関係者と歩調を合わせて完成する仕事だからでしょう。

資格の有無という、わかりやすい差

Webデザイナーには関連資格として「ウェブデザイン技能士」が挙げられています。グラフィックデザイナーには、素材上、関連資格の記載がありません。未経験から入口を探す人にとって、学習の目標を置きやすいのはWeb側だといえます。

賃金は同じ区分でまとめられている

| 職種区分 | 全国の月額(千円) | 年間賞与(千円) | 高い県の例 | 低い県の例 |

|---|---|---|---|---|

| デザイナー | 363.8 | 727.5 | 東京都 407.2 / 長野県 398.9 / 大阪府 376.5 | 青森県 232.5 / 熊本県 239.0 / 宮崎県 240.2 |

金額はいずれも千円単位で、調査年は2023年です。注意したいのは、Webデザイナーもグラフィックデザイナーも、[デザイナー](/wage/w1224.html)という同じ職種区分にまとめられている点です。この数字は区分ごとの平均であり、個々の求人の条件を示すものではありません。仕事の中身に違いがあっても、統計の上では分かれていない、ということです。

迷ったときの見分け方

隣接する仕事も候補になります。両方に共通して挙がるのが[広告デザイナー](/job/koukokudezainaa.html)で、テレビCM、ポスター、新聞や雑誌、Webと媒体をまたいでデザインします。立体表現に関心があるなら[CG制作](/job/cgseisaku.html)、製品の形に興味があるなら[インダストリアルデザイナー](/job/indasutoriarudezainaa.html)という道もあります。

まとめ

Webデザイナーとグラフィックデザイナーは、賃金区分では同じでも、求められる知識の並び順が違います。芸術が筆頭に来るかどうか、新しい情報の応用力が求められるかどうか。この2点が、自分に合う側を選ぶときの実用的な物差しになります。

出典
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)